電気設備工事の施工管理って
どんな仕事?
電気設備工事とは、あらゆる施設で使用する受変電設備、照明・コンセント設備、TEL・LAN設備などの工事を行います。「施工管理(せこうかんり)」とは、この工事全体を統括して管理する、いわゆる「プロジェクトマネージャー」です。
電気設備工事の工程・品質・安全・原価管理といった分野の知識やスキルを身につけ、かつマネジメントするのはとてもやりがいがあります。壁にぶつかることもありますが、一生かけてキャリアを磨いていける仕事です。
スケジュール立案・管理
この仕事の難しさは、予期せぬトラブルへの対応や、多くの人との連携が求められる点です。しかし、その分、計画通りに工事が進んだときの達成感は格別です。工事が無事に完了すると「自分の仕事が人々の暮らしに貢献している」といった、これまで味わったことがないようなやりがいを実感できます。
施工計画書・施工図の作成
具体的にどのように工事を進めるか、を詳細に記した計画書や図面を作る仕事です。これには、工事の手順、必要な材料、使用する機械や工具、安全対策など、工事に必要な全ての情報が含まれます。図面では、電気設備の配置や配線の経路などが描かれ、協力業者さんが正確に作業を行えるようになります。
協力業者さんの管理・指揮
あなたが現場のリーダーとして、工事に関わるスタッフを一つのチームにまとめ上げ、工事が円滑に進むようにする仕事です。具体的には、どの協力業者さんがどの作業をいつ行うかを決めて、わかりやすく説明します。また協力業者さんたちが安全に作業できる環境に目を光らせることもあなたの仕事になります。
品質や仕上がりチェック
工事が規格や基準に合っているかをチェックし、仕様書通りの品質を確保します。具体的には使用する材料を確認したり、協力業者さんたちが行った作業の仕上がりが、ちゃんと図面通りになっているか確認したりする仕事です。また、工事中に発生する問題点を見つけて、それを修正するのも大切な役割です。
積算・原価管理
積算とは工事にかかる費用を計算し、見積もる仕事です。具体的には、必要な材料や機材、人手のコストを見積もり、全体の予算を作成します。
積算そのものは専門の担当部署があるため、施工管理者が直接行う仕事ではありませんが、その内容をきちんと理解し、予算内に収まるように管理するのはあなたの仕事になります。これ以外にも材料の発注業務などにも関わりながら、プロジェクトを統括する施工管理者として予算全体をマネジメントするスキルを少しずつ身につけていきます。
各種書類のチェックや資料作成
電気工事は短いものでも数ヶ月、長いものだと年単位の工期になります。この間、工事の進捗を施主(発注者)に報告したり、検討事項を協議する際の打ち合わせ用資料を作成したりするのも施工管理者の重要な仕事です。また現場の責任者として、工事手続きに関する書類のチェックなども日常的によくあります。
成電工の「施工管理」を知る
5つのキーワード
コミュニケーション50%
施工管理の仕事は、発注者との打ち合わせや、協力業者さんへの説明・指示出しが50%を占めています。入社後に電気設備に関する知識や技術はしっかり学んで頂きますが、実際にあなたが作業するわけではありません。大切なのは、発注者のご要望を丁寧に聞くこと。さらに協力業者さんへ作業内容を的確に伝え、彼らが力を発揮できるようしっかりコミュニケーションを図ることです。
そのため、営業や販売職として、顧客とのコミュニケーションを通じて、商品やサービスの魅力を伝えてきた経験をお持ちの方は、施工管理の仕事はとても向いている、と言えます。
図面を制する者が
時間を制す
「施工図」とは協力業者さんに渡す、いわば大切なお手紙です。施工に関する情報がきちんと明記された施工図面を用意することで、協力業者さんはスムーズに動くことができます。つまり、施工管理者の管理や指示にかかる時間は必要最低限で済むのです。
実際に成電工の社員は、向こう1か月の準備や事務作業を行い、残業せずに退社しています。そのため成電工では、入社3年間で「施工図を読み、作成できる」スキルの習得をとても重視しているのです。
段取りが命
工事において最も避けたいことは、事前の確認不足や資材の発注ミスなどによる遅延・やり直しが発生することです。そのため、成電工では工事の着工前に綿密な現場調査を行い、工事着工の1か月前までには工程表・施工図面を万全な状態に仕上げています。
100%の事前準備・段取りをした上で、現場に臨むことで、日々の業務は工程表をもとにきちん進捗しているかの確認、現場の状況に合わせて工程を微調整する程度で済ますことができ、効率的な働き方の実現につながっています。
ワンチーム成電工
施工管理者1名に業務が集中することがないよう、チーム全体で業務や役割の分担をしっかり行っています。また、お客様との難しい折衝や万が一のトラブル発生時に、経験豊富な上長が現場に同行し、事態の早期収束をサポートします。
さらに、施工図の作成は大半が施工支援の部署が担っております。施工管理者が本来の業務に集中できる環境を整えています。
快適な現場
工事が始まると、現場に常駐し、直行・直帰の勤務になります。そこで現場を担当する社員のために、最初にやることは「快適で清潔な仮設事務所」を設置すること。事務作業も快適にできる環境を用意します。
施工管理って、実際どう働いているの?
ある1日の仕事の流れ
現場での各種チェック・準備
現場到着。作業服に着替え、保護具(安全靴・ヘルメット・安全帯)を準備します。
その後、朝礼会場にて、協力業者さんの装備・身だしなみ・体調の確認を行います。
朝礼
朝礼開始。ラジオ体操を元気良く全員で行います。
その後、作業に関する安全指示事項を確認して周知します。当日の作業エリアの状況を確認するなど、現場にいる全ての協力業者さんがスムーズに作業を始められるよう準備を整えます。
事務所での業務
現場にある事務所内での事務の仕事を始めます。
全体工程を確認し、遅れがあった場合は月間工程を変更して遅れを取り戻します。
他工事(建築や設備工事)との兼ね合いから先行して行える工事を施工図から見つけ出し、工事リストを準備します。
現場の確認
現場に出向き、発注者への確認資料に添付する施工写真を撮影します。その後、いったん事務所に戻り、お客様や上司へのメール連絡、設備や資材メーカーとのやりとり、資材の発注などを行います。
お昼前には現場で作業が図面通りに仕上がっているか、品質の確認を行います。
ランチ
お昼のランチ休憩です。いつもは事務所の中で持参したお弁当を食べます。空いた時間で仮眠をとることもOK。
午後の作業開始
作業再開。現場を巡回し、協力業者さんの作業進捗や品質、安全を確認します。問題や異常が発生した場合は、職長・グループリーダーに伝達し、判断を仰ぎます。
また15:00に行うミーティングの資料を作成したり、内容を確認したり準備を始めます。
ミーティング
協力業者の職人を集めて、ミーティングを始めます。施工図面について不明な点はないか確認し、あれば詳しく説明します。向こう1か月までの工事工程・内容の説明・確認、安全や整理整頓に関する周知を行います。
向こう1か月までの準備・手配
残っている事務作業や現場の確認などを行います。ミーティング時に出た課題点を解決し、翌日以降も効率よく進められるよう、さまざまな準備や手配を行います。
現場の後片付け
現場の後片付け状況、協力職人の出退勤状況を確認して現場を後にします。
日報作成
日報を記入し、グループリーダーにメール送信します。
終業・退勤
現場事務所の消灯・戸締りを行い、終業・退勤となります。